ストーブリーグ【釣り】

こんにちは。アルクスポンド焼津の飯塚です。
プロスポーツの世界のオフシーズンをストーブリーグと称し、選手の動きや来季の構想等々を注目するものです。ファンの方も気になるところでしょう。

そんなオフシーズンはワタクシのような春の河川、湖沼解禁に向けて準備を進める釣り人にも存在致します。期間の決められた釣りをしていますと、シーズンにわたって使うルアーやフライを準備し、妄想する大事な時期です。

フライは年間に通うフィールドに合う水生、陸生昆虫を机に向かってワシワシと作り溜めておく時期ですので背中にストーブを置く事からリアルにストーブリーグと言うとか言わないとか。
「一日一本、三日で三本♪」と昭和の演歌に乗せてお酒片手に日々巻き巻き。この時間がフライタイヤーには釣りをしているのと同じくらい楽しいお時間です。釣る事は大前提ですが、自分で巻いたフライで釣る事が多い「フライ」は「投げる、釣る、巻く」が三大要素です。釣っていなくても、公園でキャスティング練習をしていても、机に向かってフライを巻いていても楽しめるのです。

こだわりを詰め込むと何度も何度もパターンチェンジを繰り返します。

管理釣り場でのフライは、釣れない事は「無い」と言っても過言ではありませんが、河川や湖に小さなフライで挑むわけです。アピール力はゼロに等しく、魚が見つけてくれる確率はルアーの比ではありません。
魚がその気になっていないと釣れない釣りの側面を持ちます。ですので小さな羽虫も水中、水面下、水面上、大人、産卵期と成長に合わせた各ステージでフライを用意しなくてはなりません。

バイス(フライを巻く道具)に向かってフックをセットし、サイズ、カラー、シルエットをイメージ。時には釣った魚の胃にポンプを入れて、食べた内容物を調べるストマックポンプなるアイテムで捕食対象をデータ化し、画像ファイルで持っている方も少なくなく、かなり尖った研究心も併せ持ちます。
そういった探求心が更なる奥深さにいざなわれていきます。

自分なりに作った一つのパターンを繰り返し作るうちに、改良版も生まれてきます。そうなりますと、手持ちのフライを刷新する事もしばしば。ボックスを空にする決断を下します。「埋めなおし」となればストーブリーグ中に巻くフライは数百本の単位となります。物凄く大変な作業に感じるかもしれませんが、フライ病を患っていますので「投げる、釣る」と同等に楽しめてしまいます。
そうしてストーブリーグは無限のループで続いていくのです。

まだまだ春を迎えられそうにないスカスカなボックス。間に合うか?!

さてこの一連の準備作業はフライに限った事ではありません。フックをチェックし、ワレットを色やウェイトごとに並べる事で次の一手を導きやすくなります。大会に限らずカラーローテーションが重要な現在の管理釣り場に於いて、ルアーがあっちこっちに散らばっていては、理詰めの戦略にロスが生じます。そういった意味でも見やすくキレイに整理しておくことはスプーンの釣りにとって非常に重要な準備作業に感じます。
皆さんが釣りをより楽しんでいただくために、そういった準備のお時間もタクティクスを巡らせている時もきっと幸せなお時間だと思います。

夜な夜なコタツで揃えるのも楽しい一時です。