皆さんこんにちは。
アルクスポンド焼津の飯塚です。年々釣果について欲が無くなり、「オリンピック憲章」のように参加することに意義がありそうな、我が釣行。いくつもの年券を駆使して、「あっちの渓流、こっちの湖、そっちの海」バスにトラウトにワカサギに・・・はたまた海の釣りモノと。自身の年間スケジュールは、こういった「ターゲット」に合わせた生活となっていたものですが、多くのターゲットの旬が被っているのに気付くのです。
ネイティブは水温とリンクするため、淡水、海水共に春の水温上昇がキーとなり、アッチコッチで釣果の情報が飛び交い、自身の釣行に体が足りない状況さえニヤけていたものです。「芦ノ湖セットにエギングセット」「エギングセットに狩野川セット」「狩野川セットに遠投キス釣りセット」等々。こんな具合で複数のターゲットとの出会いを用意し出かけていたのも、今思えば若さゆえ。
現在は「どれだけ自身の理想の釣りに辿り着けるか」と質を求めているように感じますが、実際は釣りに行く体力も落ちてきたネイティブ行脚。ワタクシもオジサンになったものです。
さて体力が落ちても「知恵」はつくもの。経験値が多くの出会いをもたらせてくれるのも事実です。
昨年はそんな経験をさせていただきました。最後の魚止めの堰堤。昨シーズン38センチのイワナに出会えた場所。曇っていた空から、瞬間的に降ってくる雨に活性は上がるだろうと。。必ず居るであろうポイントに一撃のドライフライ。スっと鼻先が現れ、出ましたよ46センチのイワナ。おそらく一撃で入れないと違和感で喰ってくれないサイズなのは過去の経験からも感じます。
この魚との出会いには多くの先輩たちからに渡されたバトンの証。フライを教えて下さった先輩たちに感謝なのです。一人では決して出会えていない事を改めて感じます。
更に自己レコードを更新する事となった芦ノ湖のブラウントラウト。何度も何度も釣行のたびに姿を現す大きなブラウン。正確に言うと大きな魚の着きやすい地形的優位なポイントを知っていた為、出会えたブラウンとなります。湧き水や大きな岩などの障害物、ワカサギなどベイトの回遊。などなど大物が好んで居付くポイントは、何代にもわたって大物の目撃や釣果があるものです。特にイワナやブラウンなど障害物に身をひそめるような大型のフィッシュイーターは、それこそ仲間内では「あそこのブラウン?」などと言われるくらい目撃例も多いのです。そんなポイント付近にボートを寄せ、その先10mにも満たない近距離に複数の波紋。決して大きいとは思えない大人しいボイルにミノーをアプローチ。合わせた直後に大き目?とは思いましたが、ブラウン特有のうねうねファイトの内にランディング。姿の全景をボート上に確認出来た瞬間。「やっちまった」と。
ブラウンを釣りたい友人をお連れしたにもかかわらず、ワタクシが釣ってしまった。自責の念と興奮の船上。芦ノ湖には年間レコード登録制があり、魚種別年間チャンピオンには、豪華賞品と年券のプレゼントがあったはず!早速検量をお願いに船宿へ戻り、無事リリース。このサイズになるのに何年かかるか分かりませんが、とにかく帰ってくれたことと暫定首位の75.4センチに安堵と感動の釣行となりました。もう少しで禁漁となる10月半ば。芦ノ湖漁協から「何がいただけるものやら」とほくそ笑んでいたのもつかの間、その漁協からお葉書が自宅へ。「1mm更新されました!」と禁漁一か月前にご連絡をいただき、私の年間チャンピオンは「2位じゃダメなんです」と蓮舫さんに言って聞かせたい秋の便りとなりました。
とは言え、夢のあるフィールドとの関わり、その片鱗を感じさせて頂いた魚には感謝の意をもって、来シーズンも伺わせて頂く事となります。
こうして2024年記憶にも記録にも残るワタクシの釣果ではありますが、多くの先輩から引き継がせて頂いた「思い」や「協力」を無くして成しえる釣行ではなかったことも、付け加えておかなければなりません。改めて出合わせて下さった多くの「先輩たち」に感謝しかありません。またいつか私もそんな「先輩たち」のように「思い」を伝えていければと思います。
2025年も記録に拘らず、記憶に残る人と魚に出会えるよう、わずかながらでも釣行に出かけてみたいと思います。